バグの原因を特定することは、バグの影響がその原因よりも ずっと後で発覚する場合、特に困難である。そのようなバグを 調査するのに有効な手段として、デバッガの持つウォッチポイント (データ・アクセス・ブレークポイント)の仕組みがあるが、 プログラムの実行を順序通りに追跡するため、プログラマは バグの原因ではない場合にも、デバッガからの報告を吟味 しなければならない。 しかし多くの場合、その報告のうちの最後のもの、すなわち バグの影響が出た場所の直前の報告がバグの原因となっている。 そこで、 1. デバッガからの報告の履歴を自動的に取得し、 2. その最後の場所にプログラムの制御を移す ための仕組みである、``reverse watchpoint'' を提案する。 これは、ソースコードの変換とデバッガに多少の拡張を施す ことで実現でき、現実的な実行時間で動作することを示す。研究紹介のページへ