プログラマのデバッグ作業を支援するソフトウェアとして、デバッガがある。 デバッガは主に、 (1) プログラムを指定したところで停止させる、 (2) プログラムを一行ずつ実行する、 (3) 停止した場所での変数の値を表示・変更する、 といった機能を持つ。「どのコードが間違いを引き起こしているか」を 決定するためには、(1) や (2) のような実行制御は欠かすことができない。 しかしながら、現在のデバッガはプログラムを通常実行と同じように 順方向にしか実行させることしかできないため、正しいと思い込んで、 あるいは操作ミスにより、バグの現場を通り過ぎてしまうことがある。 こうした場合に、デバッガによってプログラムを逆方向に実行して 見せる機能が提供されることは、デバッグ支援として非常に有効である。 本輪講では、逐次処理のプログラムを対象として、このような「プログラム 逆実行」や「プログラム実行履歴の再現」を実現するいくつかの研究について 紹介する。研究紹介のページへ